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人生研究家 mico

【m!co読み】蜜蜂と遠雷/恩田陸【レビュー】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音楽をやりたくなる

あきらめていたことに挑戦したくなる本📖

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蜜蜂と遠雷は、

映画の予告をみて知りましたが

 

結局映画は見れぬまま

小説を読む機会が訪れました。

 

 

 

 

 

 わたし自身も幼少期、

ピアノを習って発表会を経験し

バレエで舞台を経験し

 

学生時代は6年間

吹奏楽に没頭しました。

 

 

 

わたしのように

音楽をやっていた人はもちろん、

スポーツやなんでも

諦めたこと、やり残したことがある人

おすすめです!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文章が音を奏で、

視覚が聴覚に変わる

 

そんな、

はじめての感覚。

 

 

 

とにかく読み終わったあとに

風間 塵

栄伝 亜夜

マサル

高島 明石

に会いたくなる…!

 

 

 

ほんまの

本物に会いたい!!!

 

そしたらきっと

みんなと抱き合って号泣するわ…!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【以下ネタバレ含みます】

 

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・足元を固め、次世代を考える王子さま

マサル

 

・圧倒的論理、メンタルの女神さま

栄伝 亜夜

 

・湧き出る産物、現代のアインシュタイン

風間 塵

 

・実はもう一つのギフトであり、爆弾

高島 明石

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【足元を固め、次世代を考える王子さま】

マサル

 

 

 

 

 

王道の王子さま。

 

少女マンガの主人公のようでありながら

一番、地に足が着いている人では?

 

 

 

異国のバックグラウンドがあるからかもしれないが

称賛を受け入れられる力がすごいと思った。

 

そしてその力は

積み重ねてきた努力があるからこそなんだと。

 

 

 

 

 

マサルはきっとこの積み重ねを

努力とは思ってないはず。

 

"やるべきこと" "やる必要があること"

を、ただやっているだけ。

 

目の前のことをやっているだけ

 

 

 

 

 

誰もが憧れる、羨む境遇だけど

人気があることを

本人が納得している。

 

その、裏付けがしっかりあるから。

 

 

 

 

 

そしてマサルに一番惚れたのは

クラシックに対しての疑問を持っていること。

 

古いものを慈しむ、

敬意を持って大切にすることは

もちろん大事なことだけれど

 

それをアレンジしたり

自分なりの受け止め方をすることを

冒涜だとは思わない。

 

が、それを非難する目

それを恐れる心が

業界にまだまだ多いことは

否めない。

 

偉人だって現代人だって

同じニンゲンなんだから

次の時代のクラシックが

そろそろ産まれたっていいんだよなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"あるある" なのに "あるあるじゃない" 

【圧倒的論理、メンタルの女神さま】

 

栄伝 亜夜

 

 

 

 

 

音楽の世界は

趣味や教養の分には問題ないが

生きて(食べて)いこうとすると

急に牙を剥く。

 

音楽は誰のものでもないはずなのに

奪い合い、戦わないといけない現実

心が折れ、挫折する。

 

 

 

そんな中

天才少女と言われながら音楽界から姿を消した亜夜、

目的を失ってしまった亜夜、

肉親を失い絶望を経験した亜夜、

 

この広い世の中では

あるあるのうちに入ると思う。

 

 

 

しかし"あるある"ながら

亜夜が違うところは

 

正当な理由と圧倒的な理論

 

 

 

 

 

とうふメンタルの私からしたら

一度逃げた場所に戻ることなんて

考えただけで吐きそうな所業ではあるが

そうじゃない。

 

亜夜はそうじゃなかったのだ

 

 

 

 

 

みんなが陰でウワサすること。

 

世の中がそれぞれの"一般論"の中で

予測したコタエ。

 

そのどこにも

亜夜は当てはまらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつもはタカラモノで溢れていたピアノ。

 

今すぐにでも取り出したくて

駆け寄った場所。

 

 

 

それが、

亜夜にとっては墓標になったのだから。

 

 

 

 

 

母親との別れも大きいとは思うけど

元々、雨音にギャロップを聴いていた亜夜なのだから

自然のこととも思う。

 

 

 

舞台から、

ピアニストというコミュニティから離れたのは

正当な理由があった

 

陰口に心を痛めることはあっても

亜夜にとっては自然なことだったのだ。

 

圧倒的理論。

かなわない女神感。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【湧き出る産物、現代のアインシュタイン

風間 塵

 

 

 

 

"カザマジン" の家族の描写が

あっさりでよかった。

 

ジンは特別じゃないって思える。

ジンの才能に理由がないっていう

説得力がある。

 

 

 

 

ジンの好きなところは

全部を自分から産んでいるところ

 

あなたはそう思うんだね

ぼくはこう思うよ

 

という

ある意味だれからも影響されない

ジンのキラキラした新芽のような

コミュニケーションが好きだ。

 

自分が他人に乗っ取られず

コラボレーションすること

とても難しいことなのかもしれない。

 

 

 

簡単なことのようで、

 

顔の見えない

人工的なコミュニケーション

に、慣れているわたしたち、

ゲンダイジンにはできないのだ。

 

だから彼の音楽は

苛立ちや怒りを生む

今まで自分ができなかったことを

目の前で易々とやってのけるのだから。

 

 

 

 

 

ジンの存在、素晴らしさは

わたしたちを置き去りにせず

その気にさせるのはなぜなのか。

 

 

 

あぁ、音楽ってそうだよな

こういうことだったよなぁ

って、思い出させてくれる存在。

 

自分には何ができるんだろうと

わくわくさせられる。

 

ニンゲンの可能性のすばらしさを

思い出させてくれる。 

 

 

 

アインシュタイン

なんでもやってのけたけど

きっとニンゲンは皆

そんなパワーを秘めているんじゃないかと

思わせてくれる。

 

 

 

 

 

ピアノの森の海(カイ)を思い出したけど

カイより天然って感じ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【実はもう一つのギフトであり、爆弾】

高島 明石

 

 

 

 

 

いや〜、高島さん好き

 

亜夜と抱き合うシーンは

思い出しただけで涙がでる

 

コトバに出来ないんだけど

思わず泣きあうって感覚

とてもわかる。

 

 

 

 

 

この人も

もう一つの爆弾だと思った。

 

一歩間違えれば

音楽をナメている

思われてもおかしくない境遇だが

 

音楽でしっかり納得させてしまう。

 

生活者の音楽。 

 

 

 

 

 

 

別に、経験がどうなんだ

 

学歴がどうなんだ

 

師匠がどうなんだ

 

全ての人に

音楽を表現する権利はある

 

家庭を持っていたって

権利はある

 

 

 

 

 

 

 彼の音楽は

犠牲の上に成り立たない音楽

だと思った。

 

何かのために

何かを諦めなくても

チャレンジができることを

証明している。

 

 

 

胸を張って

お父さんは音楽家 "だった" と言いたかった

彼の音楽家人生が

継続することになり

こっちまでワクワクしてしまった。

 

 

 

あぁ、

こんなお父さんに育てられたい…!!!

  

 

 

 

 

 

 

 

 

この本が発売されたのは

2016年だが

 

今、ブームになっている

ストリートピアノ がまさに

生活者の音楽なのではないかと思った。

 

 

 

この4人がストリートで演奏するなら

どんな音楽を奏でたのだろうと

 

読み終わってからも

想像が膨らむ…ッッ!!!!!